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新・SFハンドブック:早川書房編集部編 [Book]

ジェームズ・ティプトリー・Jrの初めての本は「故郷から10000光年」だった。
それまではジェームズ・ティプトリー・Jrの名前なんて全然知らなかった。
なんとなくタイトルが良いなぁと書店の棚から手に取って表紙を見ると、...物語を感じた。
そのまま、レジまで行ってさっさと自分の本にしてしまい、それ以降好きな作家の一人になった。
そんな感じで初めての作家の本を買うというのは、かなり冒険だったりする。
最近はSFもあまり人気がないみたいで、書店の棚を見ても数が少ない。
新聞の書籍案内を見ても、SFが紹介される事はほとんどない。
そんな状況の中で、新しい作家に巡り会いたいと思ったときは、たとえば「90年代SF傑作集」だとかの○○集と題された本を買ってきて、ひと通り読む。
気に入った作品があれば、その作家の別の作品を買ってくる。
しかし、「○○年代SF傑作集」なんてシリーズは10年に1度しか刊行されない訳だから、どうしても情報不足になってしまう。
困ってしまう。
そんな中で見つけたのが「新・SFハンドブック:早川書房編集部編」だった。
年代的にも幅広く紹介されているので、こんな本が一冊あるとすごく助かる。
目次をめくってみると......
オールタイム・ベストSF
対談(森岡浩之×藤崎慎吾)
編集部のおすすめ作品
日本人作家が選ぶ文庫SFマイ・ベスト5
年代別SF史
SF講座
用語小辞典
ハヤカワ文庫SF既刊リスト
とりあえず、ぜひとも読んでおくべき作品はオールタイム・ベストSFと云ったところだろうか。
ちなみにベスト1は「夏への扉」。
幅広くSFに接してみたいんだったら編集部の選んだ物を読むと良いかもしれない。
「日本人作家が選ぶ文庫SFマイ・ベスト5」に自分の好きな作家、たとえば自分の場合だったらジェームズ・ティプトリー・Jrが好きだから、ジェームズ・ティプトリー・Jrをベストに選んでいる菅浩江さんが選んでるほかの作品を読んでみるのも良いかもしれない。
で、パラパラと「日本人作家が選ぶ文庫SFマイ・ベスト5」を見てみるとA&B・ストルガツキーの「ストーカー」(最近のある種の犯罪の総称とは違う)を選んでいる人が複数いる。
タルコフスキーが映画化したこの作品は、小説も映画(じつは、映画では自分のベストなのだ)もそれぞれおもしろい。
年代別SF史も1950年以前から1990年代(この本が刊行されたのが2001年なので)までの作品を紹介している。

このハンドブックを手に書店巡りをするのも楽しそうだ。

これが「故郷から10000光年」の表紙。
母親に連れられているのは男の子だとばかり思っていたのだが、よく見るとどうも女の子らしい。
そして、この女の子はジェームズ・ティプトリー・Jrのような気がしてきた。


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