雁の寺:川島雄三 [Cinema]
今日は久しぶりに会った友達と「雁の寺」を見に行った。
半世紀ほども前の映画を一緒に見に行くくらいだから、彼の映画の守備範囲もかなり広い。
最初は一緒に見に行く予定はなかったんだけど、彼のiPodの調子が悪くなったというので、様子を見に行ったついでに一緒に映画を見に行こうという事になった。
(彼のiPodは、その場ではリペアできなくて、お持ち帰りをして現在鋭意リペア中)
映画館に着いたのは、上映開始数分前。
いつもは、10分以上前に行ってのんびりタバコを吹かしながら気持ちを落ち着かせて入場するのだが、肩で息をしながら場内のシートに座った。
....なんだか、落ち着かないなぁ。
ところが、映画が始まってすぐの蟻の視点アングルに一発で引きつけられて、それからはどっぷり映画の世界に沈んでいくのだった。
会話のリズムも落ち着いていて、カメラのアングルがどこかのぞきっぽい(というか、...いったい誰の視点からのアングルなんだ?)感じで、昨日の川島映画(花影)とはかなり違う。
うーん、のぞきっぽいというのは違うなぁ。
のぞきってのは誰かの意思が伴うものなんだけど、それはなかったな。
...通常では考えられないアングルだもんねぇ。
最初の蟻の視点とかさ、慈念登場の時の信じられないアングルとかさ。
で、アングルもおもしろかったんだけど、やたら「穴」が出てくる。
ラストに近いところにも、最後の大穴があるし。
映画全体はかなり汚い(いろんな意味で)シーンもあるんだけど、主演女優の若尾文子が掃溜めに鶴(でも、視点を変えれば、彼女もなかなかなんだけど)って感じで、きれいというか妖艶。
こんな人を見ると和服は良いなぁとしみじみ。
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