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犯人に告ぐ:瀧本智行 [Cinema]

犯人をいかに追いつめるかというよりも、事件に関わる登場人物にピントを合わせた作りがすごくおもしろい。
巻島の存在を際立たせる脇役(本部長とか植草とかメディア関係者)が良いねぇ。
個人的には植草の存在に興味あり。
彼の根っからの屈折した性格(本部長の記者会見場での袖でのあの笑い)はある意味魅力的。
本部長のその後は....ちょと気になりますねぇ。
映画の中では二つの事件が描かれているけれど、その絡ませ方も性格描写をする上でおもしろい。

やっぱりこの映画はおもしろいわ。
主な登場人物は、巻島と.....ではなくて、警察とメディアと事件の被・加害者という感じで、警察内部の事情とメディア内部の事情、それから事件を起こした犯人と被害者の家族がしっかり描かれている。
犯人の描写は少ないのだが、あの母親の泣き叫ぶ声や、犯人の声明文は良く描かれていると思う。
あの声明文はそのまま警察内部への批判だとも受け取れるわけだが、その対象となったのが小学生だというのは、犯人もまた社会がよく見えてないけれど微妙におかしさを感じているけれど、その矛先を向け間違えた一人の市民という事だと思う。
メディア内部の事情も植草の思惑と絡まり、おもしろい。

世間ではいろいろな事件があり、メディアを通してそれを知る自分たちは、それをそのまま鵜呑みにする事なくもうちょっと事件の背後を想像してみるのも大切かもしれない。
この映画で云うと、巻島が刺される事件もそこに至るまでには子供を失った父親の深い悲しみがある。

この映画に不満があるとしたら、番組放送中のメディア内部の緊迫感(というかスピード感)がちょと物足りない。
もっと短めのカットで繋いでいってくれたらなぁと思った。
それから、ローラー作戦の描写ももひとつだった。
12時間歩きっぱなしらしいけれど、引きずった足だけではそれが伝わらなかった。
もっとさ、歩く足のカットを増やすとか、協力する住民のいろんな感情を見せてくれたらなぁと思う。
メディアでいかに協力を訴えても、いろんな住民がいるわけだからさ。
でも、やっぱりおもしろかったよ、うん。


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